ある日突然、鳥が好きになりまして。
土手をいつものように通勤しておりますと、川に浮かぶ黒くて楕円形をした鳩より少し大きい鳥がおりました。
そこで一瞬かわいいなぁと思うと、次の日もあの鳥はいるのだろうかと気になるようになりまして、
毎日探してしまうことになります。
一羽でいることはあまりなく、何羽かでグループを作っております。
だいたいみんなで川を泳いでいることが多いのですが、ある日、陸に上がっているのを発見した時は思わず手を振りました。
おーい! こーんにーちわー!
誰からもうるせーよのツッコミはなく相手にしてくれませんでしたが、この鳥と挨拶をするのが朝の楽しみとなりました。
しかし突然別れはやってきました。
いつものようにその鳥を探すと、一羽もいない。
こんな日もあるのかと思い次の日も探してみたものの、いない。次の日も、次の日もいない…
どういうことだ。
まさか家に野鳥図鑑など無いだろうと思いつつも本棚を探すと小さなポケットサイズの野鳥図鑑。恐るべし我が家。
その結果、たぶんオオバンという鳥だと思われる。
この図鑑には鳥の写真がなく鳥の絵が一つ載っているのみでなんとも心細いが、他にそれらしい鳥は出てこないので少なからず僕の中ではオオバンということにした。
このオオバン、冬にだけ来る野鳥らしい。
そういうことだったのか。
ちらほら、桜が咲き始めていた。
今年もオオバンとの別れが近づいてきているようで寂しい気もしますが、いよいよ春ですね。