お店を開けていられる幸せを感じつつ

日常というものは幻想で、一合一会なのだと常連のおじいちゃん達が言っている気がする。

いつか来なくなると覚悟はしていたものの、今日も寒いなぁと言いながらいつまでもおじいちゃんがやってくると思っていた。

明日は来るかなと思いつつ1年が経っていたり、5年以上経っているおじいちゃんもいる。

毎日繰り返される日常があると思っていた。

おじいちゃ達はよく言っていた。

やりたいことは早くやれ。

時にはそれは下ネタだった。

年取ったらやりたくてもやれないんだぞ。

どこか淋しそうに笑いながら言うその言葉は、妙に説得力があった。

僕もいつまでもコーヒーを淹れられるはずもなく、

淹れられるコーヒーの数のカウントダウンは着々と進んでいるのは間違いないわけで、

大事に淹れたいなぁと思いつつ、

お客様は来ない。

暇で寒い日、これも日常ではないはず…